回復期リハビリテーション病棟
回復期リハビリテーション病棟とは
回復期リハビリテーション病棟は、脳血管障害や骨折手術などのため急性期病院で治療を受けた、発症後早期の患者様を対象としており、機能回復や日常生活動作能力の向上などリハビリ治療を中心とした医療を提供する病棟です。
「日常生活動作」とは、移動や排泄・食事・入浴など、日常生活で必ず行う基本的な動作のことです。「Activities(動作)of Daily Living(日常生活)」の頭文字をとり、「ADL」ともいわれます。
対象疾患
脳血管疾患
脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷等の発症後もしくは手術後の状態又は義肢装着訓練を要する状態
運動器疾患
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節もしくは膝関節の骨折又は2肢以上の多発骨折の発症後又は手術後の状態、股関節又は膝関節の置換術後の状態
廃用症候群
外科手術後又は肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後又は発症後の状態
その他
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節又は膝関節の神経、筋又は靱帯損傷後の状態
入院期間は疾患により異なりますので、ご相談ください。
回復期リハビリテーション病棟の特徴
- 住み慣れた在宅生活への復帰や社会参加を目指し、患者様の状態に合わせた目標設定やリハビリ計画を立て、定期的な評価・治療を行います。
- 患者様や家族様の希望も取り入れながら、リハビリテーション科医師、看護師、介護士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、医療ソーシャルワーカーなど多職種がチーム一丸となって、退院に向けたサポートを行っています。
看護・介護
ベッド数が20床の病棟ですが、急性期病院からのバトンを受けて一人でも多くの患者様が住み慣れたご自宅へ戻れるように、看護・介護を行っています。
日々、日常生活動作の確認と全身状態の観察を行い、ご自身でできることを増やせるよう、サポートを行っています。
リハビリテーション
身体機能の改善と日常生活動作の獲得による在宅復帰および社会復帰を目指して、以下のような取り組みを行っています。
- 個別リハビリテーション : 1日最大3時間
- アドバンスリハ
- 退院前訪問指導
【アドバンスリハ】理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
病棟生活における日常生活動作(移動、食事、排泄、入浴など)にリハビリ専門職が積極的に関わりを持つことで、「リハビリではできている動作」や「やればできるけどやっていない動作」をより早期に「普段から自分でしている動作」や「当たり前にしている動作」へ導くための当院独自の取り組みです。
「リハビリではできている動作」や「やればできるけどやっていない動作」は、医師やリハビリ専門職員の前ではできるのですが、自宅に戻り生活してみるとできないのが特徴です。原因は、自宅と訓練室や診察室との環境の差などが関係していると言われており、事故にも繋がりやすくなります。
また、「普段から自分でしている動作」や「当たり前にしている動作」は、どのような場面や時間でも普段から問題なく行える動作です。
【退院前訪問指導】理学療法士、作業療法士
自宅へ退院される予定の患者様やご家族様が、より円滑に在宅生活を送ることができるように、必要に応じて、退院前に担当のリハビリスタッフがご自宅へ訪問し、指導を行っています。
患者様や家族様のご要望を伺いながら、家屋内外の状況を把握して自宅での動作の確認や動作指導、福祉用具のレンタルや住宅改修の提案を行っています。
また、訪問して見つかった課題を、退院までのリハビリテーションや環境整備などで解決を図り、より日常生活行為に則した関わりを心がけています。
家族様への日常生活介助指導
退院後に患者様、家族様がより安全で安楽に生活できるよう日常生活介助指導を行っています。
主な内容は、オムツ交換や経管栄養、ベッドや車いすの乗り移りや歩行、段差昇降などで、必要に応じて一緒に練習しアドバイスしています。
「チェックリストや動作方法をまとめた資料などを用いて、わかりやすくお伝えできるよう取り組んでいます。
栄養指導
主に在宅復帰される患者様に対して栄養指導、食形態指導を行っています。
栄養指導は、生活習慣病やその他の既往があり、治療食を提供している患者様に、退院後の在宅での食生活の注意点や調理のポイント等をお話しています。
食形態指導は、咀嚼嚥下機能の低下により、きざみ食やミキサー食での食事を必要とされる患者様や水分にとろみが必要な患者様に、きざみ食・ミキサー食の作り方やトロミの付け方などをお話ししています。
退院後の患者様の生活に寄り添う栄養指導を心がけています。
服薬指導
退院後もご自身で内服管理や自己注射ができるよう、HDS-R(長谷川式簡易知能スケール)で確認をしながら指導を行っています。
飲み忘れ防止や内服管理がしやすいように、内服ボックスやお薬カレンダーなどを用いながら、患者様・ご家族様にわかりやすい指導に取り組んでいます。
お問い合わせ窓口
地域医療介護連携室